合羽橋で初めての包丁選び 三徳・牛刀、鋼かステンレスか
KAPPABASHI FIELD GUIDE
合羽橋には、一軒で千本を超える包丁が並ぶ店もある。三徳肉・魚・野菜の「三つの用途」に使える日本の万能包丁。家庭用の定番で、最初の一本に選ばれることが多い形です。— 合羽橋ノート、牛刀西洋生まれの万能包丁。三徳より刃が長く先が尖り、肉の塊や大きな食材に向きます。シェフナイフとも。— 合羽橋ノート、ペティ、菜切、柳刃刺身を一引きで切るための細長い和包丁。関西型の呼び名で、切り口を潰さず美しく仕上げます。— 合羽橋ノート——最初の一本は何を基準に決めればいいのか。動画で語られる職人や店員の言葉をたどると、選択肢は意外なほど絞り込めるという。
最初の一本は、実はほぼ決まっている
家庭で料理をするなら三徳包丁——これが和包丁の案内でまず示される答えである。三徳の「三徳」は魚・肉・野菜の三つを指し、これ一本でほとんどの作業をこなせるという(Japan Essentialsの動画 ▶1:05、Cappuccino Balletの動画 ▶0:58)。日本の家庭料理はずっとこの一本でやってきた、とも語られていた。
つまり種類の多さに圧倒される必要はない。出刃魚をおろすための厚手の和包丁。重みで骨ごと断ち切れるよう、刃が分厚く作られています。— 合羽橋ノートや柳刃、薄刃、そば切りといった包丁は、特定の食材や作業の専門家のための道具であり、最初の一本として探すものではないと整理されている(Japan Essentialsの動画 ▶3:00)。売り場で迷ったら、まず三徳の棚の前に立つ。話はそこから始めればいい。
三徳・牛刀・ペティ——形の違いは「動かし方」の違い
三徳と牛刀(シェフナイフ)はどちらも万能型だが、刃の形が違う。三徳は刃幅が広く刃線が比較的まっすぐで、上から下ろす「押し切り」に向く。対して牛刀は刃線がやや反っていて幅が狭く、刃先を支点に前後へ揺らす「ロッキングカット」に向く。だから、自分がどんな手の動かし方をするかで選べばいい、と説明されていた(Cappuccino Balletの動画 ▶1:14〜1:47)。
ペティ(ユーティリティナイフ)は三徳より細身で、皮をむいたり小さな食材を切ったりする用途。まな板の上で刻む作業には向かないという(同 ▶2:03)。菜切は刃がさらに平らで、野菜を刻むことに特化した形だとも紹介されている(同 ▶2:47)。三徳を一本目に、ペティを二本目に——という組み立てが、この違いからは素直に導ける。
鋼かステンレスか、重さか軽さか
素材の分かれ道もはっきりしている。鋼は切れ味が鋭く研ぎやすく、研げば長く使える、とされる。ただし錆びやすく、使ったらすぐ拭いて乾かす必要がある。ステンレスは錆びにくく手入れが楽だが、切れ味が落ちたときに戻しにくい。自分で研ぐ気があるなら鋼、手入れを簡単に済ませたいならステンレス、という割り切り方が示されていた(Japan Essentialsの動画 ▶1:35〜1:57)。
重さも基準になる。重い包丁は力が伝わりやすく、軽い包丁は疲れにくい。柄も木と樹脂があり、木は手に馴染みやすく、樹脂は衛生的で手入れがしやすい(同 ▶1:59〜2:13)。どちらが正解ということはなく、実際に持ってみて手に合うものを選ぶべきだ、と結ばれている。
なぜ「手に持って決める」なのか
合羽橋に足を運ぶ最大の理由がここにある。肉職人が20年ぶりの買い替えでつば屋庖丁店を訪れた動画では、店員の説明を受けながら何本も持ち比べ、最終的に27cmの一本を選んでいた。「こうやって見て説明してもらって、持ってみなきゃわかんないね」という職人の言葉に、店側も「手に取って自分の手に合う・合わないを確かめない限り、いい包丁に出会えない」と応じている(格之進の動画 ▶0:02〜0:32)。
つば屋庖丁店は庖丁の専門店で、三徳や牛刀といった万能型から、菜切・薄刃、筋引・骨スキ、柳刃・出刃、パン切り・そば切りまで、用途ごとに常時1,000点以上が並ぶ。公式サイトには英語での対応も可能と記されており、「何を切りたいか」を伝えれば候補を絞ってもらえる。カタログやオンラインでは比べようのない握りの差を確かめるために、売り場に立つ価値がある。
買ったあとが本番——切れ味は手入れで決まる
選び終えてからが長い付き合いになる。かっぱ橋で三徳を買った人の比較では、新しい包丁はきゅうりを抵抗なく均一に薄く切れたのに対し、45年ほど使った古い包丁は力を入れないと切れず、トマトは断面が荒れて最後は崩れてしまったという(世界が驚く日本の動画 ▶0:49〜1:11)。
その原因として店員から伝えられたのが、ローリングシャープナーを使い続けると刃が少しずつ平らになってしまうという話だった。包丁の刃は本来V字型で、砥石を使えば元の鋭さに近づけられるとのこと(同 ▶0:35〜0:48)。違いは一瞬で分かるというより小さな差の積み重ねだった、という感想も印象的だ。合羽橋では砥石も一緒に相談できる。一本目を選ぶときに、研ぐ手段まで含めて考えておきたい。
紹介されていたお店
参考にした動画
出典:Japan Essentials(2026-03-17)
出典:Cappuccino Ballet(2025-01-03)
出典:[公式] 門崎熟成肉 格之進(2024-10-07)
出典:世界が驚く日本(2025-09-20)
この記事は動画の内容をもとに編集したものです。店舗情報は当サイトの掲載データによります。動画の投稿者の方で掲載を望まれない場合はお問い合わせください。